死後事務委任契約

◎死後事務委任契約とは

 死後事務委任契約とは、委任者(本人)が受任者に対して、自己の死後の葬儀や埋葬に関する事務についての代理権を付与して、自己の死後の事務を委託する委任契約をいいます。
 委任契約は原則として委任者の死亡によって終了しますが、委任契約の当事者である委任者と受任者は、「委任者の死亡によっても委任契約を終了させない旨の合意」をすることができますので、委任者は受任者に対して短期的な死後の事務を委任することができます。 

 死後事務委任契約書はどのような形式で作成してもかまいませんが、自分の意思で作成したことを明らかにするために公正証書で作成することをおすすめします。

 


 

◎死後事務委任契約のメリット

 身寄りのいない人が、亡くなった後の葬儀、納骨、財産の整理などを、第三者へ委任する契約をすることで死亡後に備えることができます。
 また、関係者への連絡事務や葬儀のやり方、永代供養に関する事務をしっかり実行してもらいたいとか、債務弁済の事務、家財道具の処理整理の仕方などを明確に伝えておくこともできます。
 

 

 亡くなった後の事務手続きとしては、次のようなものが挙げられます。

  ・委任者の生前に発生した債務の弁済
  ・委任者の死後の葬儀、埋葬もしくは永代供養に関する債務の弁済
  ・賃借建物の明け渡し、敷金もしくは入居一時金等の受領
  ・親族関係者への連絡
  ・家財道具や生活用品の処分に関する事務